空と光と風と  ~日々の暮らしごと~

夫婦二人ぐらしの主婦です。スマホで撮った写真と日々のあれこれを書いてます。

『運転者』を読んで、両親を思う

 子供の頃から読書が好きです。

体が弱かった子供の頃は具合が悪くて寝込むと、父のお土産は決まって本でした。
それは、漫画本だったり、絵本だったり、小学〇年生の月刊誌だったり、……。

当時(昭和40年代)住んでいた市営アパートは、子供がたくさんでいつでもどこでも遊び場で、幼稚園や学校の時間以外は子供たちの声が絶えませんでした。
具合悪くて朦朧となりながらも、外で遊ぶ子供たちの声に耳をそばだて、うらやましくてたまらなかった。

そんな娘の気持ちを察して、父なりに、当時の子供が喜ぶような付録つきの雑誌を選んでくれたように思います。

そのおかげか今も変わらず、本を読むことはわくわくする ことです。

 
 限られた時間
 世の中にはたくさんの本があって、
 本との出会いも一期一会
 出会うタイミングも


『運転者』はインスタでフォローしている方のお勧めの本です。
作者は喜多川泰さん。
少し前に、『書斎の鍵』を読んで、喜多川さんの本をもっと読んでみたいと思いました。
 
自分の好きな作者さんや好きそうなジャンルばかり追いかけていると、なかなか広がりません。時間も有限です。SNSでいろんな年代の方のおすすめを知ることができるのは、とてもありがたい。

『運転者』引き込まれました。
自己啓発本のようですが、物語なので読みやすい。
運転者のことばが、頭でなく細胞のひとつひとつに染みわたります。ゆっくりとじんわりと沁み込みます。


「運が劇的に代わる時、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。
それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください。
そのアンテナの感度は、上機嫌のときに最大になるんです。逆に、機嫌が悪いとアンテナは働かない。だから、最高の運気がやってきているのに、すべての運が逃げていっちゃうんです。」


「運は〈いいか〉〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。
〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。
先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ことができる。
運は後払いです。何もしていないのに、いいことが起こったりしないんです。
周囲から〈運がいい〉と思われている人は、貯まったから使っただけです。」


私の親はサラリーマンの父とパートで働く母。(私が低学年の時は家で内職をしていた)
地味な家庭で、電気の消し忘れ、風呂は湯が冷めるので6人家族が間をあけずに入るとか、バイトなのに門限とか、小さいことまで怒られて育ったので、反抗もしたし反発ばかり。
初めてしゃぶしゃぶを食べに連れて行ってもらったのも友人のお父さん。
初めてすき焼きを食べさせてもらったのも友人のおばさん。
洋服を買ってもらえる友人がうらやましかった。


25年前のこと、親戚の借金問題で両親への認識が変わりました。贅沢を目の当たりにしたのに、あんなに倹約していた両親が嫌味の一つもいわず…。この両親に生まれてよかったと、その時初めて思いました。
それ以来、体感として、両親の徳〈運〉に守られていると感じてます。


抗がん剤治療中の友人がいった言葉です。
「まめこ(私のこと)は両親の徳に守られているんだよ。うちの両親はあんなだったけど、私は自分の子供のためにも徳を積みたい。」
彼女くらい徳を積んだ人はいないと、今も昔も思っています。きっぱりと言い切る彼女の笑顔は、神々しいほどの美しさで、私はちょっぴり悲しくなりました。


「そこにあなたが生まれ、ほんの100年ばかり生きて死んでいく。
そのときです。
あなたがその物語に登場したときよりも、
少しでも多くの恩恵を残して物語を去る。
つまり、あなたが生きたことで、少しプラスになる。
それこそが真のプラス思考じゃないかと思うんです。」


私達夫婦には、子供がいません。
私が生きたことで、少しでもプラスになるには…。

一生をかけて尽くしていく
果てない課題のような気がします。


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