空と光と風と  ~日々の暮らしごと~

夫婦二人ぐらしの主婦です。スマホで撮った写真と日々のあれこれを書いてます。

正しさよりも優しさ、優しいことは強いこと

4月1日。
新年度。新学期。
ニュースで見る新入社員が微笑ましい。
60回目の春を迎えたが、気持ちだけは「ピカピカの1年生」でいたいと思っています。



今朝、何気なく読んだ文章が、私をぎゅっと掴みました。
思い浮かんだのは両親のこと。
自分でわかっていたけど、認めたくなかったこと。

情緒は鈍らせず、暴走しない。


禅では、自身の感性や情緒を鈍らせる一番の原因は、知ったかぶりをすることだと説いています。
哲学の父ソクラテスは、自分がいかに物事を理解していないかを自覚せよと、「無知の知」を説きました。
自分が無知なことを理解していれば、相手の言い分や思いを理解しようと努力し、自分の正しさや感情を押し付けることもしません。
情緒を鈍らせず、暴走もさせない一番の方法は、「自分は知らないことばかりだから、常に学び続けないと最適な判断はできない。よく感じ、しっかり考えてから判断しよう」という姿勢を忘れないことです。


インスタ心をととのえる習慣づくりInTrip


90歳と83歳の両親を見守りながら暮らしています。
いつの頃からか、愚痴や不調の訴えや弱音が多くなりました。
日々の小さなことまで、私に丸投げです。
私が問題をすべて引き受けて、なんとかしてくれると思っているようです。


鬼の形相でこんこんと訴えてくる言葉は、私に向けられた矢のように感じられなんとかしなければと努力してきました。
でも、その努力は両親のためではなく、私自身のため。
なぜなら聞きたくなかったから。


「痛い」「眠れない」と言う言葉にも自分が責められていると感じ、その苦しさから逃れようと解決策を探しました。
時には、正論を並べて両親の口を塞ごうとしました。
過去の出来事を持ち出して説教じみた言葉を投げかけて、反論できないようにしたことも。


責められたくなかったから、聞きたくなかったから、見たくなかったから、解決しなければと躍起になっていました。
両親の言い分やその先にある不安を理解しようとはせず、ただただ、正論を押し付けて黙らせようとしてきました。
両親のためでなく、自分のために。

長崎 白木峰高原


私は60歳で、83歳と90歳のことはわからない。
私が彼らの年齢になった時、初めて理解できることがあると思います。
自分の更年期の症状が、母の更年期と重なります。
当時は振り回されて嫌な思いしかなかったけど、今となってわかることもある。


いい文章を読んでも、
元来の性格が変わることはなくて、
優しい娘になれるわけでもない。


自分優先は変わらなくても、
理解しようと努力しよう。
思いやりのある言葉で話そう。

美味しいものを一緒に食べ、「おいしいね」とつぶやこう。
美しい景色を眺めながら、「きれいだね」と伝えよう。

記憶に残らない一瞬でも、その一瞬笑顔だったらそれでいい。



『正しさよりも優しさ、優しいことは強いこと』
一田憲子さんの言葉が胸に響く。


新学期。
今日から、私は両親との関係を新たな気持ちで築きたい。
向き合うのではなく、寄り添っていきたい。



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